投資を始めると「どの銘柄を買えばいいのか?」に意識が向きがちだ。しかし、実際に資産形成で重要なのは、個々の銘柄選びよりも アセットアロケーション(資産配分) だと言われている。
ではアセットアロケーションとは何か?どう決めればいいのか?そして、なぜ資産を増やすのに効果的なのか?
今回は、投資の王道とも言える「アセットアロケーション運用」について深く解説していく。
■ そもそもアセットとは?アセットアロケーションとは?
まず「アセット(Asset)」とは「資産」のことを指す。投資の文脈では以下のようなカテゴリが代表的だ。
- 株式(国内株・外国株)
- 債券(国内債券・外国債券)
- 不動産(REIT)
- 現金や預金
- コモディティ(金など)
そして アセットアロケーション(Asset Allocation)とは、これらをどの割合で保有するかを決めること を意味する。
たとえば、
「株式60%、債券30%、金10%」
という配分をあらかじめ決めて、それを維持する運用のことを指す。
実は、多くの研究で
投資成果の約8割はアセットアロケーションで決まる
と言われており、銘柄選びよりもはるかに重要なのだ。
■ アセットアロケーションの決め方(年代別)
アセットアロケーションは「リスク許容度」で決まる。一般的には、年齢が若いほどリスクを取れるため株式が多くなり、高齢になるほど株式比率を減らす。
代表的な目安を年代別に示すと以下の通りだ。
● 20代・30代:株式中心で資産を増やす時期
- 株式 80〜90%
- 債券 5〜15%
- その他(REIT・金など)5〜10%
まだ時間が十分にあるため、多少の暴落があっても長期で回復が期待できる。
積極的に株式中心でも問題ない。
● 40代:安定と成長のバランスを取る時期
- 株式 60〜70%
- 債券 20〜30%
- その他10%前後
教育費や住宅ローンなど支出が増えるため、徐々にリスクを落としていくタイミング。
● 50代:老後に向けて守りを意識する時期
- 株式 40〜50%
- 債券 40%
- その他 少量
大きな暴落が直撃するとリタイア計画に悪影響が出るため、株式比率を下げる。
● 60代以降:取り崩しを見据えた安全運用
- 株式 20〜40%
- 債券・現金 60〜80%
株式は完全にゼロにはしないが、変動リスクを抑えるのが基本となる。
■ アセットアロケーション運用とは?
「アセットアロケーション運用」とは、
最初に決めた資産配分を維持し続ける運用方法 である。
マーケットは常に動き続けるため、配分は自然と崩れていく。
たとえば、
- 株が上がって株式比率が増える
- 債券が下がって比率が減る
このように、放置すると本来の配分から大きくズレてしまう。
ズレが大きくなるとリスクが過剰になったり、逆にリターンを落とす結果になりかねない。
そこで重要なのが リバランス だ。
■ リバランスとは?
リバランスとは、
崩れた資産配分を本来の比率に戻す作業 のことである。
たとえば、あなたのアセットアロケーションが
- 株式 60%
- 債券 40%
と決めていたとする。
しかし株価が好調で株式が値上がりし、配分が
- 株式 70%
- 債券 30%
になった場合、「株を売って債券を買って元の60:40に戻す」
これがリバランスである。
■ リバランスするとどうなるのか?
リバランスには大きく3つのメリットがある。
① リスク管理ができる
株式が増えすぎて不必要なリスクを取る状態を防げる。
② 「高くなったものを売り、安くなったものを買う」ことになる
リバランスの本質はこれである。
- 株が上がりすぎ → 一部売却(高値売り)
- 債券が下がった → 買い増し(安値買い)
つまり、自然と
逆張りの投資(Buy Low, Sell High)
になっている。
これは長期投資において非常に重要な行動で、多くの人が感情ではできないが、リバランスはそれを「自動的に」実行してくれる。
③ 長期的にリターンが安定して増えやすくなる
値動きの異なる資産を組み合わせて、定期的に配分を整えることで「ポートフォリオ全体としての効率」が高まる。
■ リバランスの頻度はどれくらいが良いか?
一般的には以下が推奨されている。
● 年に1回
最もシンプルで効果的。税金や手数料の負担も少ない。
● ある程度ズレたら
たとえば
「目標比率から±5%以上ズレたら実行」
などの方法。
● 積立投資で自然にリバランス
買い増しを「比率が低い資産」に集中させる方法もある。
■ なぜリバランスすると資産が増えるのか?
理由は3つある。
✦ 理由①:高値売り・安値買いをするから
もっとも本質的な理由。
感情に反して合理的な売買ができるため、長期では利益を押し上げる。
✦ 理由②:資産の値動きの違いを「利益」に変換できるから
株と債券は長期的に見ると動きが異なる。
この“ズレ”こそがリバランス効果を生む。
「動きが違うもの同士が組み合わさって、値動きのブレが利益になる」という力学である。
✦ 理由③:リスクを安定させることで長期運用が続けやすくなる
暴落で大損すると、多くの人は途中で投資を止めてしまう。
しかし、リバランスでリスクを一定に保てるため、精神的に安定して続けられる → 続ければ資産は大きく増える。
■ まとめ:アセットアロケーション運用は「長期投資の王道」
アセットアロケーション運用とは、
- 資産の配分を決め
- 崩れたらリバランスで元に戻す
たったこれだけだが、長期投資の成果の大部分を決めるほど強力である。
短期の相場変動に惑わされず、淡々とリバランスを続けること。
それこそが、最終的に資産を確実に増やす最も合理的な方法なのだ。

